MVR-Ex 熱変位補正について

熱変位補正とは

工作機械に取り付けた温度センサの値より、熱変位量を推定してNC制御的に軸移動させる機能です。
例えば、ラム主軸の温度が上昇していればZ軸方向に伸びていることが推定できるため、熱変位方向とは反対側にZ軸移動させることでキャンセルすることができます。

機種毎の熱変位補正搭載状況について

• MVR-Exシリーズ
  環境温度変化や主軸の発熱の影響を受けにくい構造を採用しているため、基本的にはNCによる熱変位補正を搭載せずに高精度を達成しています。
  ただし、一部のアタッチメント主軸に限り特殊オプションのNC熱変位補正を採用したものがあります。
• MVRシリーズ
  一部の機械でNCによる熱変位補正技術を採用しています。（全ての機械ではありません）

熱変位補正の有効/無効の設定方法

熱変位補正は温度から推定した分、軸移動をするものですが、機械設置環境や使用方法によっては無効にした方が良い場合もあります。
有効/無効の設定方法と、熱変位補正量の確認方法は以下の通りです。

• 有効にするには、Mコード44（無条件補正）、もしくは45（条件付補正）を実行
• 無効にするには、Mコード46を実行
• 熱変位補正量を確認するには、機能キーの”SYSTEM”を押し、”診断”を選択します。
  No.”361”(補正パルス数)にある値を確認してください。

注：
この値は熱変位補正を含むすべての補正量（バックラッシ補正やピッチ誤差補正など）も含まれます。
熱変位補正が無効になっている場合でも0ではない場合があります。

なお熱変位補正は、標準の補正方式のほかに、「無条件補正」と「補正禁止」の設定ができます。